コラム

2022.09.22

オオサンショウウオの健康管理ってどうしているの?

京都水族館の「京の川」エリアで人気を誇るオオサンショウウオ。
「在来種」、「外来種」、そして在来種と外来種が交配した「交雑個体」、あわせて約20頭を飼育しています。
京都水族館では健康管理のため、年に一度、体長と体重を測る「測定会」を行っています。
普段水の中にいるオオサンショウウオをどのように測っているのか、その方法をご紹介します。

■オオサンショウウオの測定方法


まずは準備。水槽の周りにシートをひき、大きな水槽、体重計、体長を測るパイプを用意します。‌
そして飼育スタッフが一人、水槽の中へ。水の中にいるオオサンショウウオを一頭ずつ優しくすくい上げていきます。‌
オオサンショウウオは水から引き揚げると浮力がなくなりとても重くなるので、水槽の中と外で、複数人で協力が必要に。‌


最初にオオサンショウウオの個体識別。‌
日ごろ接している飼育スタッフは大きさや模様の違いで個体を判別できますが、間違いのないよう、オオサンショウウオの前あしあたりに埋め込まれたチップを読み取り、個体を正確に識別します。‌


個体が識別できると、大きな水槽にオオサンショウウオを入れ、水槽と網の重さを引いて体重を測ります。‌
昨年と比べ、体重が増えすぎていないか、または減っていないか、個体ごとにチェックをし、日々のごはんの量を調整します。‌
通常は年に一回の測定ですが、もし、やせている、または肥満になっているという傾向が見られる個体がいた場合は、定期的に測定を行い、個体ごとに管理をしています。‌


続いて体長測定。‌
体長を測るために、目盛りが書かれた半割りのパイプを使用します。‌
鼻先から尻尾の先までまっすぐのばし、昨年よりどれだけ大きくなったかを測ります。‌
おとなしくじっとして測定される個体もいますが、中には体をくねらせて暴れる個体もいるため、飼育スタッフは四苦八苦することも。‌

こうして一頭一頭、すべての測定を行い、健康をチェックしています。‌


■3年ぶりに一般公開「測って!オオサンショウウオ」


2022年9月9日には、京都水族館で一番大きなオオサンショウウオの交雑個体を一般公開で測定する「測って!オオサンショウウオ」を実施しました。‌
2020年、2021年はすべての個体をスタッフが閉館後に計測したため、お客さまも見ることができるのは3年ぶりです。‌

開館と同時に多くのお客さまが水槽前に集まり、測定の様子を眺めます。‌

測定の結果、体長は昨年と変わらず158cm、体重は昨年の35.8kgからやや減少の34.36kgに。‌
昨年の測定結果がやや肥満傾向にあったため、ごはんの魚の種類を変えており、無事に減少の結果となりました。‌
体長、体重ともに発表されると拍手と歓声があがりました。‌


オオサンショウウオの測定の様子が気になる方は、2021年の測定の様子を公式Youtubeにて公開していますので、ぜひご覧ください。‌
オオサンショウウオの身体測定2021 京都水族館




京都水族館では、未来の地球にバトンをつなぐ、サステナビリティ推進プロジェクト「ACTION!(アクション)」を行っています。‌
水族館だからこそ見えてくる地球や社会の課題に対して、未来を担うこどもたちや地域社会と一緒に取り組みます。‌

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