コラム

2018.05.24

見れば見るほど魅力あふれる「オオサンショウウオ」の特徴とは?

  • オオサンショウウオ

京都水族館に入ると、まずはじめに目に入るのはオオサンショウウオの姿。
その姿を見たお客さまからは、「びっくりした!」「大きい!」「魚なの?」と次々に驚きの声があがります。見れば見るほど私たちを虜にするオオサンショウウオ。
今回は、謎に包まれたオオサンショウウウオの魅力をお伝えしたいと思います!

(※京都水族館ではオオサンショウウオ(在来種)、チュウゴクオオサンショウウオ(外来種)、交雑種を展示しています)‌

国の特別天然記念物!オオサンショウウオって何?


その正体は、綺麗な河川に住む世界最大級の両生類。オオサンショウウオは魚ではなく、カエルやイモリの仲間です。京都水族館で展示している中で一番大きな個体は、全長約150センチ、体重33キロ!かなりの迫力です。‌

水中で生活していますが、大人は肺呼吸と皮膚呼吸をおこないます。鰓(えら)呼吸なのは幼生時のみです。約20分に1回ほどのタイミングで水中から鼻だけを出して空気を取り込んでいます。耳をすますとスースーと、勢いよく空気を吸う音が聞こえてきます。‌

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生息場所


オオサンショウウオは、清流とよばれる川の中流域から山間部の谷川などに生息しています。‌

日中のオオサンショウウオは暗がりでじっと息を潜めて休んでいます。その理由は、夜行性だから。夜になると動き始め、水槽内を行ったり来たり活発に!‌
日中は暗がりに集まって重なっているのに、朝早くに水槽を見てみるとみんなバラバラに散らばっています。開館時には、もう寝る時間とばかりにまた暗がりに集まってきますが…‌

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寿命


オオサンショウウオの寿命は、実はまだはっきりとしていませんが、人間と同じくらいの寿命と言われています。‌
最も長生きと言われている個体は、なんと70年以上も生きたとされています。‌
京都水族館に暮らすオオサンショウウオでも、30~40年ほど生きていると推測される個体がいます。皆さんよりも年齢が上ということもあるかもしれませんね。‌

種類


オオサンショウウオは国の特別天然記念物です。中国には、よく似たチュウゴクオオサンショウウオが分布します。近年、京都市内を流れる鴨川や上桂川で発見されるオオサンショウウオでは、オオサンショウウオとチュウゴクオオサンショウウオとの交雑種がみられるようになりました。そのため、鴨川では在来種であるオオサンショウウオが減少しています。京都水族館ではオオサンショウウオが絶滅しないための種の保全にむけた研究や、こうした現状についての情報発信についても行っています。‌

ここに注目!観察ポイント


オオサンショウウオについて、その生態や特徴をお話してきました。‌
ここからはその姿をじっくりと観察してみましょう。‌

オオサンショウウオの魅力はなんといってもその「キモカワ」なポイントではないでしょうか。‌
思わず胸がキュンしてしまう部分をご紹介します。‌

【つぶらな瞳】‌
この写真をよく見てください。オオサンショウウオの目、どこにあるかわかりますか?‌

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オオサンショウウオの目はとても小さく見つけづらいですが、実はつぶらな瞳を持っています。‌
拡大すると・・・皆さん、わかりました?‌

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オオサンショウウオの目は、詳しくはわかっていませんが自分が明るい場所にいるのか暗い場所にいるのかわかるほどの視力しかありません。‌
大人になるとごはんとなる獲物を待ち伏せするため、あまり目を使いません。そのため、退化してしまったと考えられています。‌

【体の模様】‌
オオサンショウウオを展示している水槽を覗くと、まるで岩しかないようにも見えるほど、オオサンショウウオの体の模様は環境に馴染んでいます。‌
オオサンショウウオがどこにいるか、見つけられますか?‌

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上から見てもその姿がはっきりとわからないほど、周りの環境にとけこむかくれんぼの達人。天敵ともいえる鳥も、上空からオオサンショウウオの姿を見つけることは至難の業のはず。‌

皮膚の質感にも注目です。見るからにぷにぷにとした弾力があるのがわかります。‌
実はこの弾力が、とても大事な役割を担っています。水中で岩や木にぶつかってしまったとき、この弾力がクッションのような役割になり、自分の身を守ってくれるのです。‌

【手】‌
オオサンショウウオの手。前あしと後あしで指の数が違います。‌
それぞれ何本あるでしょう?‌

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正解は、前あしは4本、後あしは5本あります。‌
指の裏はまるで肉球のような丸みがある可愛らしい手あし。この指のおかげで岩の上や川の流れの中でも、しっかりとふんばって進むことができます。‌

【口】‌
オオサンショウウオを「ハンザキ」と呼ぶ地域があります。‌
その名前の由来ともいわれているのが大きな口!‌
まるで顔の半分が裂けているように見えるほど口が大きいことから「半裂き」と呼ばれています。‌

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しかし、ポイントはその大きさではありません。‌
正面から見てみると、なんだかにんまりと笑っているようにも。見れば見るほど可愛らしく思えてきます。‌

そんな可愛らしい口ですが、ごはんの時間になるとその可愛らしさはどこへやら、迫力満点の一面が見えてきます。‌
京都水族館のオオサンショウウオは、ウグイという魚の切り身を食べています。‌
棒の先につけた切り身を目の前で動かすと、一瞬で丸飲みに!‌

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大きな口はペロリとごはんを食べるのに大活躍。普段のようすとのギャップにも注目してみてください。‌

ごはんのほかにも大きく口を開くときが。‌
それは、「あくび」。‌
時々伸びをするかのようにあくびをすることがあります。そのときは口の中を観察できるチャンス!あくびをしていることがあれば、そっと覗いてみてください。‌

9月9日は『オオサンショウウオの日』


京都水族館では、オオサンショウウオの全身の姿が数字の「9」に似ていることや、9月頃に繁殖のためオオサンショウウオが活発になることから、「9月9日」を『オオサンショウウオの日』として、一般社団法人 日本記念日協会へ申請し、2018年4月18日に認定されました。‌

まとめ


オオサンショウウオの生態やキモカワなポイントなど、魅力がわかっていただけたでしょうか。‌
さまざまな特徴の裏には、自然を生き抜くための理由があります。‌
そして、ついつい立ち止まってじっくり観察してしまうのは、その姿もさることながら‌
どんな動きをするのか、まだまだ知らない部分を見つけたい!と思ってしまう魅力があるからなのかもしれません。‌
ぜひ京都水族館にお越しになった際は、間近でじっくりと観察してくださいね!‌

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