コラム

2025.04.09

クラゲワンダー研究部員の観察日誌/オワンクラゲ編

  • jellyfish

2020年に誕生した「クラゲワンダー」。ここでは約30種類のクラゲたちと出会うことができます。多種多様な特徴を持つクラゲたち、それぞれのクラゲの見どころを知ることで、お気に入りのクラゲが見つかるかもしれません。



オワンクラゲ‌

全部丸見え、大食いごはんタイム

丸いお椀型のフォルムと放射状に多数伸びる水管が美しいオワンクラゲ。髪の毛のように細い触手をなびかせ、優雅に漂う姿には思わず目を奪われます。‌



傘の内側にある口と胃はきんちゃく袋のようになっていて、口は普段は閉じていますが触手で捕まえたプランクトンを運ぶ際に大きく開くのが特徴です。‌

直径10㎝ほどの傘は透き通っているためたくさんのごはんを抱え込んでいる様子が外から丸見えになり、どこか満足そうに見える気がします。‌

生命科学の発展に貢献、神秘の光。

オワンクラゲと聞くと一番にイメージするのはノーベル賞ではないでしょうか。2008年にオワンクラゲが光る理由に興味を持った下村脩氏が、「緑色蛍光タンパク質(GFP)」を発見したことで一躍有名になりました。GFPは紫外光を当てることで蛍光色に光ります。‌



オワンクラゲから分離されたGFPを用いて細胞のラベル化を行うなど、生命科学分野の研究では欠かせないほどに活躍しています。オワンクラゲも通常の照明では確認できませんが、紫外線を発するブラックライトを当てることで傘の縁がくっきりと浮かび上がるように神秘的に光ります。‌

目指せ!お椀サイズ!

不思議な生態を持つオワンクラゲですが、生まれたときから「お椀サイズ」というわけにはいきません。ポリプから遊離したてのオワンクラゲは約2㎜。そんな小さな稚クラゲに毎日ご飯をあげて大事に育てていきます。ここまで小さいとごはんのあげすぎや水換えの衝撃など、些細なことが命取りになってしまうので、慎重にお世話をしています。‌



直径約3㎝超えるとようやく一安心でき、通常のごはんである動物プランクトンに加えて魚肉のミンチなどよりカロリーの高いごはんを食べられるようになります。この頃はまだお椀というよりはおちょこのような大きさです。‌



さて、今日クラゲワンダーで展示されているオワンクラゲは一体どのくらいの大きさでしょうか。オワンクラゲの成長はもちろんですが、いつもより神経質にお世話をするスタッフたちも気になりますね!

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