コラム

2025.04.09

クラゲワンダー研究部員の観察日誌/ギヤマンクラゲ編

2020年に誕生した「クラゲワンダー」。ここでは約30種類のクラゲたちと出会うことができます。多種多様な特徴を持つクラゲたち、それぞれのクラゲの見どころを知ることで、お気に入りのクラゲが見つかるかもしれません。



ギヤマンクラゲ‌

まるでガラス細工

透き通った美しい傘とそこから伸びる長い触手。水流に乗って揺らめく姿はまるで風鈴を思わせる風貌です。‌

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それもそのはず、名前の由来となった「ギヤマン」とはガラスの工芸品を意味します。「ギヤマン」はオランダ語でダイヤモンドのことで、ガラスを加工する際にダイヤモンドを使用したことから由来しています。直径3㎝ほどと控えめな大きさながら、あまりの美しさにうっとりと眺めるお客さまも少なくないギヤマンクラゲ。この透明感は写真ではなくぜひ本物で感じていただきたいです!‌

何本ある?フサフサ触手



長い触手が特徴のギヤマンクラゲ、大人になるとその数はなんと約50本もあります。この触手は赤ちゃんのときからフサフサに生えているわけではないのをご存じですか?‌

実は生まれたてのギヤマンクラゲの赤ちゃんにはたった2本しかありません。傘は約2㎜の大きさで拍動も大人のギヤマンクラゲよりも早いので、忙しなく動く姿は小さな子どもが走り回るのを見ているようでなんとも可愛らしいです。‌



写真は生まれて1週間ほどのギヤマンクラゲ。8方向に1本ずつ触手があり、その間に新しい触手が生えようとしています。2本だった触手は明くる日には2本増え4本、次の日には4本増え8本になり、等間隔になるように触手と触手の間に新しい触手が生えます。やがて簡単には数えられないほどに傘の縁にびっしりと生えていきます。‌

わたしはギヤマンクラゲを育てながら触手が増えていく様子を観察したことがあります。次第に増えていく触手にワクワクしながら明日は何本になっているかな?と数え1週間で12本くらいまで増えることが分かりました。動いているクラゲの触手を数えるのは至難の業ですが、ギヤマンクラゲの触手の本数を見れば生まれてどのくらいか分かるかもしれませんね。‌

自由自在なおちょぼ口

繊細で美しい、一見高嶺の花のようにも思えるクラゲですが、クスっと笑えるおちゃめなところがあるのも魅力の一つ。ごはんを食べる際に、触手で捕まえたプランクトンを口に運びますが、傘の内側にニョキっと伸びる口を器用に左右にひょこひょこと動かしてプランクトンを集めます。その様子がひょっとこのお面のように口をすぼめて動かしているようでなんともユニーク。飼育スタッフたちもお気に入りのワンシーンです。‌

【ギヤマンクラゲの食事シーン】‌


ギヤマンクラゲを見かけたら、ぜひ食事シーンに注目してみてください。

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