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2024.04.16

絶滅の恐れのあるいきものを知って守る 京都薬用植物園との協働 希少な魚と植物を相互展示

  • 京都薬用植物園から提供されるカキツバタ
  • 田植え体験(イメージ)
  • 稲刈り体験(イメージ)

京都水族館(所在地:京都市下京区、館長:坂野 一義)は、このたび、武田薬品工業株式会社 京都薬用植物園(所在地:京都市左京区、園長:野崎 香樹、以下「京都薬用植物園」)と協働し、希少種の魚や植物を交換する相互展示を始めますのでお知らせします。京都水族館では、2024年4月23日(火)より、「京の里山」エリアにて希少種の水生植物を展示します。‌
本取り組みでは、京都水族館と京都薬用植物園がそれぞれ保有、飼育する、京都府内で絶滅の恐れがあるとされる希少種の魚と植物を交換し相互に展示する取り組みを開始します。お客さまに京都の希少ないきものを間近で観察し、知っていただくことで、いきものを取り巻く環境を考え、次世代へとつなぐ重要性をお伝えします。‌
当館からは、淡水魚の「カワバタモロコ」を京都薬用植物園へ提供します。京都薬用植物園からは、「オニバス」や「ミズアオイ」など9種類の水生植物が提供され、提供された植物は「京の里山」エリアにて展示します。当館では、展示開始にあたり、京都市内の小学生を招待して、水生植物9種のうち「オグラコウホネ」と「カキツバタ」の植え付けを子どもたちと一緒に行います。‌

また、「京の里山」エリアでは、年間パスポート会員さま限定プログラム「里山教室2024~里山で遊ぼう~」を2024年5月11日(土)から開催します。昔ながらの手法で田植え、稲刈り、脱穀精米などの稲作と、収穫した稲わらを使ったしめ縄づくりを行います。水といきもの、いきものと食物、食物と人とのつながりや、生物多様性の大切さをお伝えします。‌

当館では、子どもたちや地域社会と一緒に未来の地球にバトンをつなぐ活動「AQTION!(アクション)※1」を推進しています。今後も水族館を通して、子どもたちが自然環境に触れ、地球環境やいのちの大切さを思う心を育むプログラムを展開していくとともに、絶滅の危機にある希少種の保全とその発信を行ってまいります。‌

※1 2021年12月20日付リリース:京都水族館・すみだ水族館のサステナビリティ推進プロジェクト 未来の地球にバトンをつなぐ活動「AQTION!(アクション)」

1.武田薬品工業株式会社 京都薬用植物園概要
京都市左京区に位置し、94,000㎡の敷地の中に約2,900種の植物を保有している薬用植物園。このうち約1,900種が薬用植物で、242種が環境省版レッドリストに掲載されている絶滅危惧種です。医療関係者・学生・児童への研修と教育普及活動、薬用植物の栽培研究と技術の継承、絶滅危惧種など重要な薬用植物の収集・保全の三つを目的としています。特に、2023年度より「生物多様性保全」と「教育普及」の二つのテーマにコミットするチームを新たに設け、CSR活動拠点としての役割を強化しています。また、日本植物園協会が2006年に開始した植物多様性保全拠点園ネットワーク事業への参画や、2024年1月31日に登録博物館として登録※2を受けるなど、「薬用植物の保全拠点園」として、保全、収集・保存、普及・啓発に努めています。‌
公式ウェブサイト:https://www.takeda.co.jp/kyoto/
※2 参照:文化庁 博物館総合サイト 全国の博物館
※希少な薬用植物の保護・保全の観点から一般公開はしていません。見学は完全予約制にて受け入れています。

2.京都水族館、京都薬用植物園の希少種相互展示概要
京都水族館と京都薬用植物園が保有する魚と植物を交換し相互に展示します。対象は、京都府改訂版レッドリスト※3に掲載される希少種の魚と植物で、京都水族館からは、淡水魚「カワバタモロコ」を提供します。京都薬用植物園からは、「オニバス」や「ミズアオイ」など9種類の水生植物が提供され、植物は「京の里山」エリアにて展示します。本取り組みにより、両園館のお客さまに希少ないきものを間近で観察していただき、いきものを取り巻く環境について考え、次世代へつなぐ重要性をお伝えします。相互展示のほか、両園館で飼育情報の共有を行い、それぞれの公式ウェブサイトなどにて情報発信を行う予定です。‌
※3 レッドリストとは、絶滅のおそれのある野生生物種をとりまとめたリスト。(参照:京都府レッドデータブック情報
展示開始日:2024年4月23日(火)‌
対象希少種と展示場所:‌
エゾミソハギ、オグラコウホネ、オニバス、ガガブタ、カキツバタ、コガマ、タコノアシ、ミクリ、ミズアオイ:京都水族館「京の里山」エリアにて展示‌
カワバタモロコ:京都薬用植物園「いきもの共生エリア」にて展示‌
※京都薬用植物園では、希少な薬用植物の保護・保全の観点から一般公開はしていません。見学は完全予約制にて受け入れています。

カワバタモロコ



エゾミソハギ



オグラコウホネ



オニバス



ガガブタ



カキツバタ



コガマ



タコノアシ



ミクリ



ミズアオイ



■地元の小学生を招待 いきもの観察会と希少植物の植え付け式を開催
2024年4月23日(火)に京都市内の小学生43名を招待し、「京の里山」エリアにすむ「カワバタモロコ」などのいきものの採集と観察をする「いきもの観察会」を行います。観察会終了後には、京都薬用植物園との希少種の交換と植え付け式を執り行い、新たに展示する9種の水生植物のうち、「オグラコウホネ」と「カキツバタ」を子どもたちと一緒に植え付けます。‌
※天候などにより、中止や内容を変更する場合があります。

いきもの観察会(イメージ)



3.「京の里山教室2024~里山で遊ぼう~」実施概要
当館の年間パスポート会員さま限定のプログラムで、4回に分けて開催します。里山風景を再現した「京の里山」エリアで、飼育スタッフと田植え、稲刈り、脱穀精米などの稲作や、収穫した稲わらを使ったしめ縄作りを体験できます。昔ながらの手法で稲作を体験することで、食べ物を作る大変さを学び、自然を身近に感じていただけるプログラムです。‌

料金:無料 ※別途京都水族館の年間パスポートが必要
場所:「京の里山」エリア‌
定員:各回15名‌
対象:小学1年生以上‌
参加日時点で有効期限内の京都水族館年間パスポートをお持ちの方‌
参加方法:施設公式ウェブサイトから事前申し込み‌
※応募多数の場合は抽選となります。当選された方にはメールでご連絡します。‌
※小学生は保護者の同伴が必要です。(保護者も年間パスポートが必要)


第1回「里山で遊ぼう!~田植え編~」
水を張った田んぼに入り、泥の感触や冷たさを感じながら、稲の苗を手作業で一株ずつ植えていきます。当館の飼育スタッフや地元の農家さんが、苗を植える間隔や深さなどの田植えのコツを教えてくれます。‌
開催日時:2024年5月11日(土)午前10時15分~正午‌
応募期間:2024年4月22日(月)~5月2日(木)‌
募集は終了しました。

飼育スタッフや農家さんに教わりながら田植え体験



第2回「里山で遊ぼう!~稲刈り編~」
鎌を使って、たわわに実った稲を根元から刈り取ります。その後、刈った稲を少しずつ束ねて乾燥させる「はざ掛け」も体験します。‌
開催日時:2024年9月14日(土)午前10時15分~正午‌
応募期間:2024年8月28日(水)~9月5日(木)‌
募集は終了しました。

稲刈りの後に行う稲を乾燥させる「はさ掛け」



第3回「里山で遊ぼう!~脱穀・精米編~」
千歯こきや唐箕(とうみ)を使い、稲をもみ殻・玄米・ちりなどに選別します。力のいる作業や手間のかかる作業を通して、食物作りの大変さを実感しながら、脱穀精米作業を体験します。‌
開催日時:2024年9月28日(土)午前10時15分~正午‌
応募期間:2024年9月11日(水)~9月19日(木)‌
募集は終了しました。

昔の器具を使った脱穀精米体験



第4回「里山で遊ぼう!~しめ縄作り編~」
9月に収穫した稲わらを使い、家内安全・厄除けのご利益があるとされる「しめ縄」を作ります。良い新年になるように祈りを込めて、飼育スタッフと一緒に制作します。‌
開催日時:2024年12月14日(土)午前10時15分~正午‌
※日程、開催場所は状況により変更となる可能性があります。‌
※応募期間は決定し次第、公式ウェブサイトでお知らせします。


飼育スタッフと一緒にしめ縄作り体験



※天候などにより、予告なく中止や内容を変更させていただく場合があります。

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