コラム
飼育スタッフが綴る! オットセイ「ちのわ」の成長日記②~展示デビュー、1歳のお誕生日編~
- いきもの紹介

2025年6月30日に誕生したミナミアメリカオットセイの「ちのわ」。先日、1歳の誕生日を迎えました。
今回は、ごはんの魚を食べる練習や展示エリアデビュー、そして1歳の誕生日イベントの模様を飼育スタッフ・小野地がお届けします!
■ごはんの魚を食べる練習
生後ミルクを飲んでいたちのわですが、2026年1月からは魚を食べる練習をはじめました。これまで固形物を食べたことがないちのわにとって、魚を飲み込むのは大きな挑戦です。
おとなのオットセイたちが食べているシシャモやニシンなどの魚に加え、エビやイカなどさまざまなごはんの中からちのわの好物を探しました。魚にミルクをつけたり、ひもをつけて動かしてみたり、いろいろ工夫をしたものの、ちのわはなかなか食べません。
そんなちのわのようすに少し焦りも感じるようになっていました。しかし、2月に入ると、アジのしっぽだけ食べるように!最初は、おもちゃにしてあそんでいたら飲み込んでしまったようでしたが、いろいろな魚に挑戦する中で、ちのわはアジのしっぽを噛んであそぶことが好きだとわかりました。
飼育スタッフが見ていると私たちのことが気になってしまい食べないこともあったので、ちのわから見えないところでこっそり観察をしていました。
魚を食べることに慣れてくると、好き嫌いが出てくるようになったちのわ。ニシンが好きで飼育スタッフが見せるとすぐに食べようとする一方、シシャモは嫌いなようす。シシャモを見せても、ぷいっとよそ見をしてなかなか食べないこともありました。
また、しっぽが好きだったので、魚の頭を食べてもらうのにも苦労しました。少しずつ大きくしても、頭があるとなかなか食べません。頭部の切り身にしっぽ部分を刺すなど、ちのわが楽しくあそんでいるうちに魚の頭を食べることができればいいなと思い、さまざまな工夫をしました。
少しずつ食べることができるようになってくると、魚の種類も増やしました。アジの次はシシャモ、ニシンと増やしていくと、大好きだったアジ(のしっぽ)の順位はどんどん下がっていき、次第に食の好みがはっきりしてきました。
■お散歩の範囲も拡大!お客さまの前にも登場!
新しい環境に慣れる一環として行ってきたバックヤードでのお散歩練習ですが、2026年1月からは「オットセイ」エリアを一部区切り、お客さまにご覧いただきながら練習を行いました。
初めて登場した時は、飼育スタッフの膝の上に乗りながら、新しい環境を観察するようにきょろきょろと周りを見回していました。
お散歩の回数を重ねると、階段練習もするようになりました。軽快に階段を上るようになりましたが、下りるのが難しいようで、上ったものの自力で降りられず、飼育スタッフがお迎えに行くこともしばしば。それでも、毎日練習を重ねることで、階段の上り下りもできるようになり、行動範囲も広がりました。
慣れない環境が怖くても、私たちと一緒ならついてきてくれて、少しずつ新しい環境に慣れていきました。不安そうな時は特に私たちの膝の上に乗りたがっていたので、頼ってくれていたのかもしれません。
順調にお散歩練習を重ね、ほかのオットセイとご対面したり、「アザラシ」エリアまで足を伸ばしてみたり、お散歩の範囲も徐々に広がっていきました。「オットセイ」エリアデビューもまもなくです!
■ついに「オットセイ」エリアにデビュー!
2026年5月22日(金)、誕生以来バックヤードで過ごしてきたちのわがついに「オットセイ」エリアのデビュー日を迎えました!
この日に向けて、お散歩練習やごはんの魚を食べる練習を重ね、たくさんのお客さまにそのようすを応援していただいてきました。
開館前だったので、たくさんのスタッフに見守られながら、ついにデビューです。
私は、ちのわの誘導役を担当しました。誘導中はちのわが展示エリアまで無事向かえるように集中していて、他のことはあまり考えていませんでした。無事に展示エリアにデビューすることができ、これまでの練習の成果が出せてよかったです。
デビューから数日は、私たちが展示エリアから出ようとすると、ちのわも一緒についてこようとするときもあり、不安そうな姿がみられることもありましたが、今ではすっかり成獣に混ざって暮らしています。ちょっかいを出しすぎて怒られているような時もありますが、これから集団での暮らし方を学んでいくのでしょう。
■2026年6月30日「ちのわ」バースデーイベント開催!
誕生日当日、バースデーイベントを開催しました。
会場には1歳の誕生日をお祝いするため多くのお客さまが集まりました。まずは、お母さんのヴィッキーが登場。そして、ちのわが登場しました。
生まれた時は4.5㎏だったちのわも、1年で約15㎏まで成長しました。イベントでは、1年間の成長を飼育スタッフがお話しながら、飼育スタッフとお客さま皆さんでお祝いしました。
そして、ちのわの名前の由来となった「茅の輪くぐり」にも挑戦。イベントの最後には、練習してきた「おじぎ」をご覧いただき、バースデーイベントは幕を閉じました。
■まとめ
ついに1歳の誕生日を迎えたちのわ。これまでちのわの成長を見守り、応援してくださった皆さま、ありがとうございました。
思い返してみると、当館初のオットセイの人工哺育に私たち飼育スタッフも毎日試行錯誤を重ね、非常に濃密な1年を過ごしました。展示エリアデビューまで少し時間がかかってしまいましたが、お散歩の姿やごはんの練習など、ちのわの成長をお客さまにも応援していただけたと感じます。何より、ちのわがたくさんの試練を乗り越えてここまで成長してきたことが誇らしいです。
現在、ちのわは、「オットセイ」エリアでほかのオットセイたちと一緒に過ごしています。お姉さんオットセイたちとのコミュニケーションを通してどのように成長していくのか、これからのちのわもぜひ一緒に見守ってください。











